伝染性軟属腫「水いぼ」
水いぼって何?
ウイルスが原因で起こる皮膚の感染症で、医学用語では「伝染性軟属腫」と言います。みずみずしい光沢があり、中央がへこんだ小丘疹が多発します。
水いぼが多く見られるのは、小学校低学年くらいまでの小さなお子さんで大人にはあまり認められません。これは、ウイルスに対する抵抗力のためと考えられます。
水いぼの症状
1~5mm程度の光沢のあるいぼができます。
いぼの中央にくぼみがあり、その中にある白い芯のような部分にウイルスが多く含まれています。
症状が出るまでの期間
ウイルスに感染しても、水いぼの症状が出るまでには14~50日程度かかります。
そのため、いったん治療して良くなっても、すでに感染していたウイルスによって水いぼがまた出てくることがあります。
水いぼの好発部位
胸やおなかなど皮膚の薄いところや、わきの下などのこすれやすいところによくできます。
水いぼの治療方法
水いぼは放置してもいずれは自然に治りますが、それまでには長期間(6ヵ月~5年)かかります。
水いぼは経皮接種で感染するので、その間に他の場所にうつって数が増えたり、他の人にうつしたりすることがあります。
また、かゆみを伴うことがあってかき壊し、とびひなど他の皮膚の感染症にかかったり、アトピー性皮膚炎がひどくなったりすることがあるので、水いぼの数が少ないうちに取っておいた方が良いでしょう。
ピンセットでいぼを取る方法(摘除)
専用のピンセットで水いぼをつまみ取る方法が一般的です。
つまみ取る際に痛みを伴うことが多いため、麻酔のテープ剤を使用する場合があります。
麻酔のテープ剤の使用により、痛みを和らげることができます。
その他の治療法
液体窒素や硝酸銀ペーストを使用するなど、いろいろな治療法があります。
水いぼができたとき
水いぼは取るべきでしょうか?
近年、水いぼを治療するべきかどうかが議論になりました。治療の必要がないとする理由は、大人になるまでに残存する例はなく、いずれ自然治癒するものだからです。しかしながら皮膚科医の多くは摘み取ることを中心に何らかの治療をします。その理由としては、
- しばしばかゆみを伴い、水いぼ周囲に湿疹病変ができること。
- 放置すると無数に数が増える症例が存在すること。
- 他人に感染させる可能性があり、公衆衛生上問題があること。
- アトピー性皮膚炎などの基礎疾患があると、かゆみなど悪影響が考えられること。
学校に行っても良い?
水いぼにかかっても、保育所や幼稚園、学校を休む必要はありません。
プールに入っても良い?
プールの水ではうつらないため入っても構いません。ただし、互いの皮膚の接触でうつる機会が増えるため注意が必要です。
水着やタオルのなどは共有しないようにし、プールの後はシャワーで洗いましょう。
また、水着で覆われていない水いぼは、水をはじくタイプの絆創膏で覆っておくなど、まわりの子どもに配慮しましょう。
ただし保育所や幼稚園、学校のルールがある場合は、そちらに従ってください。
予防するためには
- 衣類やタオルなどを共有しないようにしましょう。熱湯消毒すればウイルスの力は弱くなります。
- プールでは水着、タオル、浮き輪などを共有しないようにしましょう。
- 適切なスキンケアを行い、皮膚を健康な状態に保ちましょう。
うつさないためには
- 水いぼをかき壊さないようにしましょう。他の場所にうつすだけでなく、とびひなどの原因になります。
- 水いぼのある場所は衣服や絆創膏などで覆っておき、患部が他の人に直接触れないようにしましょう。
- 皮膚を清潔にしましょう。プールから出た後などは体をシャワーでよく洗い流し保湿剤を塗るなどスキンケアをしましょう。
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