耳垢水(じこう水・ていねい水)
門前医院がときどき処方を出してきますが、ときどき…なのでいつも説明を思い出すのに苦労します…。
なので、メモメモっっ!
基本的には耳垢がこびりついて取るときに処方されます。
耳垢水(じこう水・ていねい水)
処方
- 炭酸水素ナトリウム(重曹) 5g
- グリセリン 25ml
- 滅菌精製水 全量100ml
調整方法
- 重曹を滅菌精製水に混合溶解する。
- グリセリンを加え、振とう混和する。
- 滅菌精製水を加え、全量100mlにする。
- 滅菌済み点耳容器に分注する。
※耳垢水とは、炭酸水素ナトリウム:グリセリン:滅菌精製水=1:5:10(~15)の割合で混合したもの。
適応・効果
耳垢の軟化
使用方法
次回、来院予定日の前日夜(もしくは2~3日前から使用すると指導する医師もいる)と当日朝に、滴下する耳を上にして横になり、点耳(5~10滴くらい)する。その後10~15分間点耳した方を上にしたままで耳浴する。
使用上の注意
滴下する前にはめまいや耳鳴り防止のため、てのひらで常温まで温めてから使用。
作用機序
グリセリン / 耳垢を軟化させる作用がある。
炭酸水素ナトリウム / 軟らかくなった耳垢を皮膚から浮き上がらせる作用がある。
保存
冷蔵庫
期限
1ヶ月
備考
耳垢水は計量混合加算(液剤)がとれる。
追記
ジオクチルソジウムスルホサクシネート耳科用液5%「CEO」
2015年7月にセオリアファーマより耳垢水の製剤として新発売されました。
大昔には耳垢水の製剤が存在していましたが、発売中止になってからはコツコツ製作しなければなりませんでした。これで調製不要になりそうです。
組成・性状
- 成分
- ジオクチルソジウムスルホサクシネート50mg/1mL
- 添加物
- グリセリン、プロピレングリコール、pH調製剤
- 剤形
- 水性点耳剤
- 性状
- わずかに白濁した無臭の粘液液剤
- pH
- 6.0~8.0
効能・効果
耳垢の除去
用法・用量
通常麺棒などで外耳へ塗布して使用する。除去困難な場合は数滴点耳後5~20分後に微温湯(37℃)にて洗浄を行う。
高度の耳垢栓塞の場合は1日3回、1~2日連続点耳後、微温湯(37℃)洗浄を行う。←※この微温湯洗浄の処置は基本的にDr.の処置
使用上の注意
禁忌
鼓膜穿孔のある患者(症状を増悪させるおそれがある)
慎重投与
外耳炎のある患者(症状を増悪させるおそれがある)
副作用
【頻度不明】搔痒感(※)、外耳道発赤、疼痛、皮膚炎、かぶれ(※)
※このような場合には、洗浄するなど適切な処置を行うこと。
薬効薬理
ジオクチルソジウムスルホサクシネート製剤は耳垢水であり、外耳道内の皮膚表面にある耳垢に直接作用し、薬液の浸透、軟化を促進させる。
薬理作用
- 1.表面張力低下能
- ジオクチルソジウムスルホサクシネートは界面活性剤であり、本剤は水と比べ、著明な表面張力低下能を示した。
- 2.可溶化能
- ヒト耳垢に対し、37℃で15分間、30分間及び60分間における経時的な溶解性が認められた。
保存
気密容器、室温保存。
※開封後も室温でOK。
期限
防腐剤が入っていないため、開封後は10日で廃棄。
※添加物のプロピレングリコールは、防腐剤目的ではなく溶解補助剤として添加されている。
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