保湿剤の種類と塗り方

公開日: : 最終更新日:2016/06/12 外用薬, 皮膚科

保湿剤の種類

保湿剤にはさまざまな種類があります。一例をあげると以下のものがあります。

油脂性軟膏

ex)白色ワセリン、プロペト®、プラスチベース、亜鉛華軟膏、親水軟膏、アズノール®軟膏など

皮膚の表面に膜をつくり、水分が蒸発するのを防ぎます。寒くなると固くなるため、手のひらで温めると塗りやすくなります。ベタつきやすいのが難点です。

長所
保湿力が高い
刺激が少ない
効果が長く続く
価格が安い
短所
てかりやベタつき感がある
伸びが悪い
特徴
他の保湿剤に比べて保湿効果が最も高い
入浴直後など、皮膚が水分を多く含んでいるときに塗るのが効果的

尿素入り保湿剤

ex)ケラチナミン®、ウレパール®、パスタロン®など

肌から水分が失われていくのを防ぎ、乾燥や軽い炎症を改善させる効果があります。配合量が10%と20%の2種類があり、含有量が高いと保湿効果は上がりますが、刺激を感じることがあります。

長所
保湿効果が高い(軟膏の保湿効果は油脂性軟膏に匹敵)
使用感がよい
短所
乾燥の強いところや赤みのある部分に塗ると刺激を感じる場合がある
特徴
体内の水分を角質層にとりこみ、角質の硬い部分を取り去るはたらきがあり、角質をやわらかくする作用がある

ヘパリン類似物質製剤

ex)ヒルドイド®など

肌バランスを整えて、壊れた角質層を修復します。皮膚の乾燥を改善させる効果があります。ベタつきが少なく塗りやすい長所がありますが、種類によってわずかににおいがあります。

長所
保湿効果は中程度
ベタつきが少なく、使用感がよい
刺激が少ない
短所
保湿効果が他に比べて弱い
血行促進作用もあるため、塗布後に皮膚の赤みが一時的に増すことがある
特徴
軟膏やクリーム以外にも、塗り伸ばしやすいローションやスプレーなどいろいろな剤形がある
軟膏は独特のにおいがある

セラミド配合保湿剤(市販薬)

ex)キュレル®、AKマイルドクリーム®など

角質細胞間脂質で、皮膚本来の保湿を担っているセラミドを化学的に配合したものです。保湿効果があり、皮膚に柔軟性をあたえます。

長所
皮膚本来が持っている保湿物質
ベタつきが少ない
短所
医療機関で処方できない
値段が高価
特徴
生理的な保湿剤と同じだが、病院で処方できないので高価

保湿剤の塗り方

ポイント

■入浴後5分以内に

■指先ではなく、手のひらで

■体のしわの方向に塗る

 入浴後5分以内に保湿剤を塗るようにすると効果的です。特に軟膏タイプは皮膚の水気をふき取った直後に塗ると効果的です。軽い皮膚炎は保湿剤のみで改善することがあります。保湿剤は市販のものでもかまいません。使用感のよい保湿剤を選択してください。

 入浴後は、皮膚が水分を吸収しているので、保湿剤を塗ることで、水分が逃げないように皮膚に「ふた」をすることになるのです。5分を過ぎてしまった場合などには、お湯を入れた霧吹きで皮膚を湿らせたあとに保湿剤を塗ると効果があります。

 保湿剤は、湿疹ができている部位にだけでなく、広い面積に塗るようにします。指先ではなく、手のひらで、体のしわの方向に塗ると、皮膚に広がりやすくなります。また、季節に関係なく、年間を通じて続けることも大切です。1日に何回塗ってもかまいません。

 ステロイド外用薬を使用している場合は、どちらを先に塗ってもかまいません。

保湿剤の使い分け

季節による使い分け

春・夏は、さっぱりしたローションが適しています。乾燥する秋・冬は、油分を多く含んだ軟膏やクリームがよいでしょう。

季節による保湿剤の使い分け

時間による使い分け

朝、時間のないときは、のびの良いローションが適しています。
夜寝る前は軟膏やクリームを塗ってしっかり保湿をするとよいでしょう。

塗る範囲による使い分け

広い範囲や頭皮に塗るときは、のびの良いローションが使いやすいでしょう。

スキンケアのポイント

 皮膚を清潔に保つために、毎日の入浴、シャワーに心がけましょう。

 爪を短く切り、なるべく舁かないようにしましょう。手袋をはめたり、患部を包帯で保護して、ひっかき傷を作らないようにしましょう。

毎日の入浴

 汗や汚れは速やかに洗いおとしましょう。強くこすらないようにしましょう。

 できれば1日2~3回の入浴・シャワーで、皮膚表面の細菌の繁殖を防ぎましょう。

石けん・シャンプー

 洗浄力の強い石けん・シャンプーを使用するのは避けましょう。

 よく泡立て、素手でしわを伸ばして丁寧に洗いましょう。

 十分すすぎましょう。

湯の温度

 かゆみを生じるほどの高い温度の湯は避けましょう。

 入浴中・入浴後にほてりを感じさせる入浴剤は避けましょう。

 お風呂から上がる前に水をかぶると、体表温度が下がり、かゆみもおさまることがあります。

入浴後

 入浴・シャワー後には、必要に応じて適切な外用薬を塗りましょう。

 入浴・シャワー後は速やかに保湿剤を塗りましょう。入浴後の乾燥防止に効果があります。



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